♦はじめに

みずみずしくて彩りもよく、料理の名脇役として大活躍するトマト。
そのままサラダにしたり、煮込み料理やパスタに使ったり、日々の食卓に欠かせない存在です。
そんなトマトは、見た目や味だけでなく、美容や健康をサポートする栄養素もたっぷり含まれています。
トマトの名前は、メキシコの先住民の言葉で「ふくらむ果実」を意味する「トマトゥル」に由来しています。
実はホオズキに似ていることから、その名がついたとも言われています。
今回はトマトの魅力や栄養素、おいしく食べるコツまで、すぐに役立つ情報をわかりやすくご紹介します。
トマトをもっと楽しく、おいしく取り入れて、毎日の食事に彩りと元気をプラスしましょう!

トマト

もっとおいしく!~トマトの上手な食べ方~

トマトはそのままでもおいしいですが、実はさまざまな料理に活用することで、その魅力をさらに引き出せます。
トマトに含まれるグルタミン酸は、肉や魚介に多く含まれるイノシン酸と相性が良く、煮込み料理や炒め物に加えると、うま味が一層深まります。
また、トマトにはリコピンβ-カロテンなど、美容や健康に嬉しい成分もたっぷり。
特に赤色系トマトは、加熱処理によってその栄養素がさらに強化されます。
ホールトマトやケチャップを使うことで、リコピンを効率よく摂取できるので、料理の幅が広がります。
さらに、リコピンやβ-カロテンは熱に強いため、加熱調理にも最適です。
これらの栄養素は、油と一緒に摂ることで吸収率がアップしますので、生で食べる場合も、オリーブオイルやドレッシングを使うと効果的です。
トマトは和食とも相性が良い食材なので、小ぶりのトマトを湯むきにして、おでんやみそ汁に加えるだけで、いつもと違った味わいを楽しめます。
毎日の食事に取り入れて、さらに彩りと栄養をプラスしてみましょう!

今回は簡単に作れるレシピをご紹介します!
レシピはこちら!👉『トマトと玉ねぎのマリネ』
食べる

実はNG?トマトの冷やしすぎにご注意!

トマトは冷やしすぎると甘みが薄れ、風味も落ちてしまいます。おいしさをキープするためには、冷蔵庫の野菜室での保存がおすすめです。
まだ青みが残っている場合は、常温で完熟するのを待ってから食べるのがベスト。
完熟したトマトの味わいを楽しむには、保存方法にもひと工夫が大切です。
ちょっとしたポイントを押さえて、トマトを最後までおいしく味わいましょう!

栄養満点!トマトに含まれる注目の栄養素とは?

真っ赤に色づいたトマトには、リコピンという赤い色素成分が豊富に含まれています。
この成分には抗酸化作用があり、美容や健康をサポートする成分として注目されています。
さらに、トマトにはリコピンだけでなく、ビタミンC、Eやβ-カロテン、カリウム、ビオチンなど、私たちの体にうれしい栄養素がたっぷり!
ここでは、トマトに含まれる主な栄養素とその働きについて、わかりやすくご紹介します。

①リコピン

トマトに含まれる赤い色素「リコピン」は、カロテノイドの一種で、すいかやピンクグレープフルーツなどにも含まれる天然の成分です。
リコピンは、体内で発生しすぎた「活性酸素」を取り除く力、いわゆる抗酸化作用がとても強く、なんとそのパワーは、β-カロテンの約2倍以上、ビタミンEの約100倍ともいわれています!

◆リコピンの主な働き

1)血流をスムーズに!

血管の健康を保ち、血液をサラサラに。動脈硬化や高血圧の予防にも役立ちます。

2)生活習慣病の予防に!

抗酸化作用が、悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、糖尿病や心臓病などの予防にも期待されています。

3)肥満予防・代謝アップ!

血流が良くなることで代謝が活発に。脂肪がつきにくく、痩せやすい体づくりにも◎。

4)美肌効果も抜群!

活性酸素による肌細胞のダメージを防ぎ、シミ・しわ・たるみの予防にもつながります。

5)視力の健康もサポート!

加齢にともなう目の病気予防にもリコピンが役立つとされています。

②ペクチン

トマトなどに含まれる「ペクチン」は、水溶性の食物繊維の一種。
腸内環境を整えるのにとても効果的な成分です。

◆便秘にも、下痢にもやさしい!

  • 善玉菌(乳酸菌など)を増やして腸内環境を改善!
  • 便のかさを増やして、腸の動きを活発に!

そのため、便秘や下痢の両方に効果があり、スムーズな排便を助けてくれます。
さらに、腸内にたまった老廃物や有害物質を体の外へ排出する働きもあるので、デトックス効果も期待できます。

③リンゴ酸、クエン酸

トマトのさわやかな酸味のもとになっているのが、「クエン酸」や「リンゴ酸」といった有機酸です。

◆胃にやさしく、疲れに効く!

  • 胃の粘膜を守り、炎症やむかつきをやわらげる働きがあります。
  • 疲労の原因となる乳酸を分解し、体のエネルギー産生をサポート!

そのため夏バテや二日酔い、食欲がないときにもおすすめの成分です。トマトを食べて、胃も体も元気に整えましょう!

トマトには、リコピン・ビタミン・ミネラル・有機酸・食物繊維など、私たちの体にうれしい栄養素がたっぷり詰まっています。
これらの栄養素が総合的に働くことで、高血圧・動脈硬化など、さまざまな生活習慣病の予防にもつながります。
毎日の食事にトマトを取り入れて、美味しく健康を目指しましょう!

まとめ

【トマトに含まれる主な栄養素】
◆ リコピン
トマトの赤い色素で、強力な抗酸化作用があります。
β-カロテンの2倍以上、ビタミンEの約100倍もの抗酸化パワー!
→主な働き

  • 血流改善・動脈硬化予防
  • 生活習慣病予防(高血圧・心臓病など)
  • 肥満予防・代謝促進
  • 美肌効果(しみ・しわ予防)
  • 視力の健康サポート

※リコピンは「加熱+油」で吸収率がアップします。

◆ ペクチン
水溶性の食物繊維の一種

  • 善玉菌(乳酸菌など)を増やして腸内環境を改善!
  • 便のかさを増やして、腸の動きを活発に!

そのため、便秘や下痢の両方に効果があり、スムーズな排便を助けてくれます。

◆ リンゴ酸、クエン酸
胃の粘膜を守り、炎症やむかつきをやわらげる働きがあります。

参考文献

  • わかさ生活.”わかさの秘密 トマト”.わかさ生活.リンク(参照2025-5-19).
  • わかさ生活.”わかさの秘密 リコピン”.わかさ生活.リンク(参照2025-5-19).
  • わわかさ生活.”わかさの秘密 ペクチン”.わかさ生活.リンク(参照2025-5-19).
  • わかさ生活.”わかさの秘密 クエン酸”.わかさ生活.リンク(参照2025-5-19).
  • 飯田薫子,寺本あい“一生役立つ きちんとわかる栄養学“. 株式会社西東社.2019,p232