はじめに

りんご

赤く色づいた果皮に、甘酸っぱい香りとシャキッとした食感。
秋の味覚として親しまれている「りんご」は、ただ美味しいだけでなく、豊富な栄養素を含んだ健康フルーツとして知られています。特に注目されているのが、ポリフェノール食物繊維の一種ペクチン、クエン酸・リンゴ酸、カリウムなどの成分。
これらは生活習慣病の予防美肌効果、整腸作用、ダイエットサポート、アレルギー緩和、さらにはむくみの改善や疲労回復まで、実に多彩な健康効果をもたらしてくれます。
寒暖差が大きくなり、体のバランスを崩しやすいこの季節。夏の疲れが残る今だからこそ、りんごのパワーを上手に取り入れて、内側から体を整えていきましょう!
今回は、そんなりんごの魅力や栄養、選び方、保存方法、効果的な摂り方のポイントまでを詳しくご紹介します。
毎日の食生活に、りんごを取り入れて、健やかな体づくりを始めてみませんか?

りんごをおいしく食べるためにー選び方、保存方法と調理のポイントー

選び方

おいしいりんごを選ぶときは、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 軸が太く、しっかりしていること
  • 果皮にハリとツヤがあること
  • 下部の色が黄色味を帯びていること

未熟なりんごの下部は緑色をしており、熟すにつれて黄色くなり、甘みが増していきます。
また、果皮に多少の傷や色ムラがあっても、糖度や味にはほとんど影響ありません。

保存方法

りんごは乾燥に弱く、水分が失われると風味や食感が落ちてしまいます。
以下の方法で保存することで、鮮度をより長く保つことができます。

  • ビニール袋や保存袋などに入れて密封する
  • 冷蔵庫の野菜室や風通しの良い涼しい暗所で保存する

家庭ではあまり日持ちしないため、なるべく早めに食べ切ることが大切です。
また、りんごは「エチレンガス」と呼ばれる植物ホルモンを放出します。
このエチレンには、果物や野菜の熟成を促す作用があるため、バナナやアボカドなどと一緒に保存すると、追熟が進みすぎることがあります。
逆に、早く追熟させたい果物がある場合は、りんごと一緒に保存するのがおすすめです。
※エチレンとは・・・植物が自然に放出するホルモンの一種で、果物や野菜の熟成を早める作用があります。

おいしい食べ方

りんごは一般的に皮をむいて食べることが多いですが、りんごの皮には、全体の約1/3の栄養が含まれていると言われています。
特に注目したいのが、抗酸化作用のあるポリフェノールや、整腸作用のある食物繊維(ペクチン)
これらは皮と果肉の間に多く含まれているため、よく洗って皮ごと食べることで効率よく摂取することができます。

なお、皮がベタついていることがありますが、これはりんごの熟成に伴い、分泌する成分(リノール酸やオレイン酸)によるものです。
薬剤ではないので、安心して皮ごと食べられます。

また、皮ごとすりおろしてヨーグルトに加えたり、焼きりんごや煮りんごにしてお菓子に活用するのもおすすめです!
今回は、そんなりんごを使った簡単なおやつレシピをご紹介します。
ご家庭でもぜひお試しください。レシピはこちら👉りんごのおやつ3品🍎

食べ方

ここがすごい!ーりんごに含まれる栄養素と健康効果ー

りんごには、クエン酸・リンゴ酸などの有機酸、カリウムなどのミネラル、ペクチン(食物繊維)、
そして注目のりんごポリフェノールなどが豊富に含まれており、以下のような健康効果が期待されています。

生活習慣病の予防

りんごポリフェノールは強い抗酸化作用を持ち、脂質の酸化を防ぐことで血流を改善
動脈硬化や高血糖など、生活習慣病のリスクを抑える働きがあります。
また、ペクチンには血糖値の急上昇を防ぐ効果もあり、糖尿病の予防や進行抑制にも効果的です。

高血圧の予防・改善

りんごに豊富に含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する作用があり、血圧を正常に保つサポートをしてくれます。
塩分の摂りすぎが気になる方におすすめです。

整腸作用(便秘・下痢の改善)

食物繊維の一種であるペクチンは、善玉菌(乳酸菌など)を増やし、腸内環境を整える働きがあります。
また、有害物質を吸着して排出する作用があり、便秘や下痢の改善に役立ちます。

美肌・美白効果

りんごポリフェノールには、メラニン色素の生成を抑制し、シミ・そばかすの原因となる酸化を防ぐ働きがあります。
肌のくすみや老化を防ぎ、美白・美肌ケアに効果が期待されています。

アレルギー症状の緩和

りんごに含まれるポリフェノールやペクチンは、免疫反応の過剰な働きを抑える作用があり、
花粉症などのアレルギー症状の緩和にも効果があるとされています。

ダイエットサポート

りんごポリフェノールは、脂肪分解酵素(リパーゼ)の働きを抑制することで脂肪の吸収を防ぎます。
また、脂肪の蓄積を抑え、エネルギーとして燃焼を促す働きもあるため、ダイエット中のサポートにぴったりです。

疲労回復効果

クエン酸やリンゴ酸などの有機酸は、疲労物質「乳酸」を分解してエネルギーに変える働きがあり、
運動後や疲れが溜まりやすい時期の回復促進に役立ちます。

むくみの予防・改善

りんごに含まれるカリウムは、余分な水分やナトリウムの排出を促進し、体のむくみを改善する効果が期待できます。

まとめ

【おいしいりんごの選び方】

  • 軸が太くしっかりしていて、果皮にハリとつやがあるものを
  • おしり(下部)が黄色っぽいものは熟して甘みが強い証拠
  • 多少の色ムラや傷は、味や糖度には影響なし

【保存方法】

  • 乾燥を防ぐため、ビニール袋などに入れて密封
  • 冷蔵庫の野菜室、または涼しい暗所で保存を
  • エチレンガスを出すため、他の果物との保存には注意。追熟には逆に活用可能

【おいしい食べ方】

  • 皮には栄養が豊富。よく洗って皮ごと食べるのがおすすめ
  • 皮ごとすりおろしてヨーグルトに、焼きりんごや煮りんごも◎

【りんごの栄養効果】

  • ポリフェノール:抗酸化作用で生活習慣病・美肌・アレルギー対策に
  • ペクチン(食物繊維):整腸作用、便秘・下痢の改善、血糖値の上昇抑制
  • カリウム:むくみ予防・高血圧対策に
  • クエン酸・リンゴ酸:乳酸を分解し、疲労回復をサポート
  • ダイエット効果:脂肪の吸収・蓄積を防ぎ、燃焼を促進

参考文献

  • わかさ生活.”わかさの秘密 りんご”.わかさ生活.リンク(参照2025-10-1).
  • わかさ生活.”わかさの秘密 ペクチン”.わかさ生活.リンク(参照2025-10-1).
  • わかさ生活.”わかさの秘密 ポリフェノール”.わかさ生活.リンク(参照2025-10-1).
  • 飯田薫子,寺本あい“一生役立つ きちんとわかる栄養学“. 株式会社西東社.2019,p269