
シジミでまず思いつく料理といえば、シジミのお味噌汁!寒い日に飲むと心地よさと身に染みる感覚がありませんか?シジミは江戸時代から薬効があるとされ、親しまれてきた食材です。
特に肝臓・疲労回復に効果があります。今回は、お味噌汁以外の料理も紹介していきたいと思います。

おいしいシジミへの3ステップ!
1.火を通す前に口が開いているものや、腐ったような匂いがするものは取り除きましょう。
2.シジミは必ず砂抜きをしましょう!
*砂抜き*
3~5時間ほどじっくりと時間をかけて、たっぷりの塩水で行うのが重要です。この時、シジミ同士が重ならないように塩水に漬けます。
また、暗いと砂抜きしやすいという言い伝えがありますが、周囲の明暗については重要ではありません。(※諸説あります)
ただシジミが砂を吐き出す際、周りに水が飛び散りやすいので、ザルなどを上にかぶせておくとよいでしょう!

3.冷凍保存しよう!!
米田千恵らの論文 “ミネラル摂取量の推移とヤマトシジミ可食部に含まれるミネラル” にて、ヤマトシジミを用いた実験より、
冷凍したシジミの方が生のシジミよりもカルシウムとマグネシウムを多く含むことが分かったという記載があります。
特にカルシウムは冷凍中に貝殻から身の方に移行することが分かっています。
普通のシジミでも、冷凍貝を使用することで、うまみの増加とカルシウムの増加が期待できるという証明があります。
利用したレシピは【シジミの茶碗蒸し】にて!
お酒好き必見!シジミの栄養素と成分
鉄分(主にヘム鉄=動物性食品に含まれる鉄分です)
血液中の赤血球に酸素を運び、エネルギーの産生を手伝います。
ビタミンC、非ヘム鉄(主に植物性食品に含まれている鉄分)と一緒に摂ると吸収率が上がります。
お茶に含まれるタンニン、加工食品、主にコボウや大豆に含まれる水に溶けない不溶性食物繊維は吸収を阻害しやすいので、控えるようにしましょう。
カルシウム
骨と歯を強く保つのに欠かせない栄養素です。
干ししいたけなどに含まれるビタミンD・小松菜やほうれん草などに含まれるビタミンKと一緒に食べると、カルシウムの吸収率が高くなります!

オルニチン
アミノ酸の一種で私たちの体の中で肝臓の働きを助けてくれます。
主に、アルコールを多く摂取した際肝機能が低下している時にアルコールの解毒・分解に欠かせない栄養素です。
他には疲労回復の役割も担ってます。

コハク酸
貝類の酸味・旨味成分にコハク酸があります。コクがある旨味となる成分です。
シジミの味噌汁が格段とおいしく感じられるのはこの成分を含んでいるからです。
まとめ
シジミの美味しい食べ方3ステップ
①口が開いているものや、腐ったような匂いがするものは取り除きましょう。
②シジミは必ず砂抜きをしましょう!
③冷凍保存
シジミの栄養素・成分
シジミには鉄分(血液中の赤血球に酸素を運ぶ)、カルシウム(骨と歯を強く保つ)、オルニチン(肝臓の働きを助ける・疲労回復)、コハク酸(貝類の酸味・旨味成分)が含まれています。
小さいながら、体に影響を与える栄養素が含まれています。皆さんも試してみてはいかがでしょうか。
参考文献
- 米田千恵,金子真由美,坂本千明.”ミネラル摂取量の推移とヤマトシジミ可食部に含まれるミネラル”.千葉大学教育学部研究紀要.2014.第62巻,p355-360
- 高橋健太郎.“しじみに含まれる栄養素とは?鉄分の効率的な摂取方法と吸収率を上げるコツ”.サントリーウエルネスonline.リンク(2025-2-12).
- 株式会社ニチレイフーズ.” しじみの砂抜き・漁師が教える【完全版】ガイド。絶品味噌汁レシピ付”.熱田大輔.リンク(2025-2-12).
- 池上文雄,加藤光敏,河野博,三浦理代,山本謙治.シジミ“.NHK出版からだのための食材大全.NHK出版,2024,p255(2025-2-13)
- 北村真理,屋良佳緒利,千葉喜久枝.”ミネラル”.ひと目でわかる食べ物のしくみとはたらき図鑑.株式会社創元社.2023,p34-35(2025-2-13)