ひじきは通年取れる海藻で、比較的流通が安定しています。干しひじきとしてよく販売されているため、ご家庭に常備しやすい食材の一つです。
煮物として食べることが多いのではないでしょうか。海藻は体に良いイメージはあるかと思いますが、食物繊維が多いだけではないんです!
今回はひじきの魅力についてお話しします。

ひじき

ひじきをおいしく食べる!ひじきの種類や下処理

ひじきの種類

ひじきには「芽ひじき」「長ひじき」の大きく2種類があります。これは部位の違いです。

芽ひじき・・・葉の部分。柔らかく口当たりがよい。サラダや煮物、炊き込みご飯に。
長ひじき・・・茎の部分。柔らかく口当たりがよい。炒め物や煮物に。
ひじきは使用用途によって使い分けられることも魅力のひとつです。

ひじき料理

ひじきの下処理

①生ひじきの場合

みずみずしくふっくらしているものが新鮮です。乾燥ひじきよりも下処理の工程が少ないのも魅力の一つです。
【下処理方法】

  1. ボウルにたっぷりの水を用意し、ざるにひじきを入れてボウルの中につける。
  2. 汚れを落とすイメージで軽くかき混ぜる。
  3. ボウルから上げて水気を切る。
  4. 鍋にたっぷりの湯を沸かし、沸騰したらひじきを入れる。
  5. 火が通るまで3分程茹でたらざるにあけ、流水で20秒程洗う。

②乾燥ひじきの場合

【下処理方法】
※乾燥ひじきは戻した際に、7~8倍程に増えます。ボウルは大きめのものを使いましょう
●水戻しの場合

  1. たっぷりの水にひじきを入れ、30分程待つ。(ひじきの種類によって戻し時間が異なる為、袋の表示時間を確認してください)
  2. ひじきを戻した後ざるに移し、ボウルに入れた水で2~3回ほど水を変えながら汚れを落とすイメージで軽くかき混ぜて洗う。

●ゆで戻しの場合

  1. たっぷりの水にひじきを入れ、強火で加熱する
  2. 沸騰後5分程弱火で茹で、ざるにあけて流水で20秒程洗う。

調理法

引用元:農林水産省「より安全に食べるために家庭でできるヒジキの調理法」農林水産省 消費・安全局 畜水産安全管理課(平成27年10月).リンク

ひじきには毒が入っている??

ひじきには、ヒ素(無機ヒ素)が含まれていることが知られています。ヒ素は発がん性があると言われていますが、水戻しで5割、ゆで戻しで8割減少するとされています。

ひじきの栄養は水戻し後もキープ!

ひじきには鉄分、カルシウム、食物繊維、ミネラルが豊富に含まれています。農林水産省によると、下処理をしても栄養の約7~8割は残るため、水戻し後もしっかり摂取できます。そんな栄養たっぷりのひじきを、アボカドとヨーグルトで爽やかにアレンジした一品をご紹介します!ぜひお試しください。
▶ ひじきとアボカドのヨーグルトサラダのレシピはこちら

ここがスゴイ!ひじきの栄養素

①カリウムが豊富

カリウムは水に溶け出すため、下処理作業の段階で減少しますが、元々の含有量が多いため、水戻し後でもしっかりと摂取できます。以下の効果が期待できます。
【カリウムの効能】

  • 降圧作用(ナトリウムを体外へ排出、塩分の過剰摂取の調整)
  • むくみ防止(余分な水分の除去)

②カルシウムが豊富

カルシウムが多く含まれているため、乳製品を好まない方にカルシウム補給としておすすめです。乾燥ひじきを戻した後約50gで、牛乳コップ1/3杯程と同等のカルシウムを摂取できます。
【カルシウムの効能】

  • 骨や歯を作る
  • 筋肉の収縮を助ける
  • 神経の興奮を抑えて精神の安定を保つ
骨

③食物繊維が豊富

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。ひじきを含む海藻類には水溶性の方が多く含まれており、水を含むとゼリー状になります。粘着性があるため、胃腸内をゆっくり移動することが特徴です。
【水溶性食物繊維の効能】

  • 便秘予防や腸内環境の改善(腸内の善玉菌のエサとなる)
  • 血糖上昇を抑える(腸内での糖質の消化吸収を穏やかにする)
  • 血中の脂質を下げる(コレステロールを吸着し体外へ排出)
腸内環境

まとめ

  • ひじきは下処理を行ってから調理しましょう。
  • 以下が豊富に含有
    • カリウム(血圧低下やむくみ防止)
    • カルシウム(骨や歯のもと)
    • 食物繊維(便秘、腸内環境、血糖、血中脂質の改善)

参考文献

  • 農林水産省” 乾燥ヒジキのヒ素を減らす調理法の調査結果”.農林水産省.リンク(2025-2-22).
  • まごころケア食”ひじきの簡単レシピ 少量でも体にうれしい栄養がたっぷり”. 株式会社シルバーライフ.リンク(2025-2-22).
  • シンクヘルスブログ.” ひじきの栄養と効能効果~髪への影響や赤ちゃんに食べさせていいのか解説~ ~ シンクヘルス株式会社 (2024-11-5).リンク(2025-2-22).
  • サントリーウェルネス” ひじきにはどのような栄養素が含まれる?ひじきがたっぷり摂れるおすすめレシピも紹介”.サントリー.リンク(2025-2-22).
  • シーベジ” 海藻が持つ栄養素を徹底紹介。“海藻”の力で、毎日おいしく健康を”シーベジタブルカンパニー.リンク(2025-2-22).