たんぱく質の中で、生の状態でも火を通してでも手軽に食べられる卵。
通年で出回っているため、安定して購入できるたんぱく質源の一つです。
実は卵は「完全栄養食品」といわれる程、たんぱく質以外にも様々な栄養素が含まれています。
また調理方法によって摂取できる吸収しやすい栄養素が違います!今回は卵の魅力に迫ります!!

美味しく食べる!
卵の選び方
新鮮なものを選びましょう。
【購入する際に気を付けたいこと】
- 卵の殻がひび割れしていないもの
- 賞味期限が2週間以上あるもの
- 卵を洗う場合は食べる直前で!
ひび割れしていると、内部に雑菌が入りやすく鮮度が落ちやすいです。ひびがないか確認をしましょう。
賞味期限は安心して生食が可能である期間を示します。
殻の表面のザラザラが気になる方もいらっしゃると思いますが、これはクチクラといわれているものです。
クチクラは細菌などが卵の中への侵入を防いでくれる役目を果たしているため、すぐに洗わない方がよいでしょう。
【割った時の新鮮な卵の見分け方】
- 黄身や白身が全体的にこんもりしている
- 白身が白濁している
- 白いひも状のものは捨てない!

画像引用元:卵の基礎知識“たまごのQ&A”采女ファーム.リンク(2025-8-20).
新鮮な卵には炭酸ガスが含まれており、その影響で弾力が保たれこんもりします。
ですが、時間が経つにつれて炭酸ガスが殻の表面から抜けてしまうため、古い卵は全体的にぺしゃっとしてしまいます。
白身が白濁していると一見古そうに思いがちですが、無数の炭酸ガスがたくさん含まれている証拠です。
白いひも状のものがついていますが、これはカラザといって卵黄を卵の中央につなぎとめており、衝撃から守る役割があります。
気になりますが、実はここにたくさんの栄養が含まれています。
卵の保存方法
- 購入したら10度以下の冷蔵庫にて保存をすること
- 尖っている方を下にしておくこと
店頭では常温で販売されていますが、温度差による劣化を防ぐためです。家で保存をする際は必ず冷蔵庫にいれましょう。
卵の殻は尖っている方が強度が高くなっており、割れにくいため、尖った方を下向きにして保存しましょう。
卵は1日に何個も食べていいの?
実際に明確な個数は決められていません!「卵は1日1個まで」と以前はよく言われていました。
卵1個あたりのコレステロール値は約200mgで、1日の摂取量に上限がありましたが、2015年より撤廃されています。
また卵の摂取量と動脈硬化による疾患(新・脳血管疾患)との関連は認められていません。
1日の摂取個数に制限はありませんが、卵以外にも魚や肉、豆・豆製品などのたんぱく質もバランスよくとるために1~2個までとした方がよいでしょう。
脂質異常症の方は重症化予防から、コレステロール摂取量は200mg/日未満(=1個/日)に留めることが望ましいとされています。
今回は完全栄養食品の卵を“最強栄養食品”にすべく、不足している栄養素を補えるレシピです!
ここがすごい!たまごの栄養
①ビタミンCと食物繊維以外は含まれている!
卵が「完全栄養食品」と言われているのは、たんぱく質が多く含まれていますが、卵のたんぱく質は体内ではつくられないたんぱく質(必須アミノ酸)をバランスよく含まれているからです。ただし、ビタミンCと食物繊維が含まれていません。
そのため、サラダや和え物など野菜が多く使われた食品や果物を一緒に食べることで、卵に含まれない栄養素を補うことができます!
②コリンが豊富!
卵黄の脂質の中に含まれています。コリンはアセチルコリンという神経伝達物質の材料となります。
卵の中にも含まれているビタミンB12を一緒に摂取することで、合成しやすくなります。
【コリンの効能】
- 脳の働きを活性化し、認知機能を維持する
- 動脈硬化や脂肪肝の抑制(脂質の代謝に関与)
(脳神経の細胞「記憶」や「情報伝達」の役割があるアセチルコリンの原料)

③ルテインが豊富!
卵黄に含まれており、黄色の天然色素(カロテノイド)の一種です。抗酸化作用が含まれており、目の健康を守る重要な成分です。
【ルテインの効能】
- 紫外線やブルーライトから目を保護する(光の刺激から目を保護する)
- 目の視力低下軽減(加齢黄斑変性のリスク軽減)

④調理法によって吸収されやすい栄養素が違う!
卵の調理法によって簡単にメリットとデメリットを紹介します。
・生卵
メリット:熱を通さないためビタミンBやミネラルをそのまま効率よく摂取できる。
デメリット:たんぱく質の吸収を手助けする酵素に抵抗する物質が生卵に含まれるため、たんぱく質が吸収されにくい。
生卵白にアビジンというたんぱく質が含まれており、ビオチン(皮膚や粘膜の健康維持や育毛効果)の吸収を阻害する。
・温泉卵や半熟卵
メリット:加熱温度が低いためビタミンの損失が少ない。消化によくお腹への負担が少ないため、体調が悪い時や胃腸が弱っている時にもおすすめ。
デメリット:特に無し
・ゆで卵
メリット:ビオチンの吸収が得られやすい。
デメリット:加熱のしすぎにより、栄養素が失われる可能性あり。
・目玉焼きや卵焼き
メリット:油でやくことで脂溶性ビタミンのビタミンA・D・Eなど、効率よく栄養素を取り込める。生卵やゆでたまごより消化されにくく腹持ちがいい。
デメリット:油を使用するため、他の調理法よりカロリーが高くなりやすい。
⑤白いひもの「カラザ」は捨てないで!
卵を割る時についている白いひもは「カラザ」といいます。これは免疫力を高める効果があるシアル酸やカルシウム、ビタミンB群など多くの栄養が含まれています。見た目や食感を気にして取り除かれるかもしれませんが、捨てずにそのまま召し上がっていただくことをお勧めします。
まとめ
卵を購入する時気を付けたいこと
- ひびがなく賞味期限が長い物を選択する。
保管方法
- 卵を洗う場合は調理する直前に
- 割ってから全体的にこんもりしているものがGOOD、白いひもの「カラザ」は可能な限り捨てない
以下の栄養が含まれています
- ほとんどの栄養素が含まれている。ただしビタミンCと食物繊維は含まれないため、一緒にサラダや果物を摂取すると全ての栄養が補える
- 脳の働きの活性化や認知機能を向上するコリン
- 目の健康を守るルテイン
- 免疫力を高めるシアル酸が豊富なカラザを使うこと
参考文献
- フラクトオリゴ糖スタイル専門家監修オリジナルコンテンツ“完全栄養食!卵の栄養と効果がすごい!効果的な食べ方をプロが解説”株式会社明治(2025-2-26).リンク(2025-8-20).
- 大熊養鶏場 かっぱの健康“新鮮な卵の見分け方は?養鶏場が解説”有限会社 大熊養鶏場(2023-6-14).リンク(2025-8-20).
- 日本人の食事摂取基準(2020年版)“脂質異常症 2-1-7食事性コレステロール”(ページ450-451)
- 「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書(2019-12).リンク(2025-8-20).
- たまごの知識“脳をイキイキと元気にするたまご。”一般社団法人日本養鶏協会.リンク(2025-8-20).
- 大熊養鶏場 かっぱの健卵“卵の栄養について養鶏場のプロが解説。卵の栄養は食べ方で変わる!”有限会社 大熊養鶏場(2021-2-17).リンク(2025-8-20).