♦はじめに
オクラは、夏によく見かけるねばねば食感が特徴の野菜。
和え物やサラダ、炒め物はもちろん、スープや麺料理のトッピングなどさまざまな料理に使える万能野菜です。
星のような断面が特徴的で、七夕のメニューにぴったりな夏野菜としても親しまれています。
そして実は、見た目以上に栄養価が高く、夏バテや食欲不振になりがちなこの季節の体を内側からサポートしてくれる「夏の健康野菜」です。
今回は、そんなオクラをもっとおいしく楽しむための選び方や保存のコツ、調理のポイントをご紹介します!

~七夕の伝統と楽しみ方~

七夕は、古くから親しまれてきた日本の伝統行事です。
毎年7月7日の夜、願いごとを書いた色とりどりの短冊や飾りを笹の葉に吊るし、
夜空の星に祈りを捧げるこの風習は、今も多くの人に受け継がれています。
七夕の日の食卓では、星や天の川をイメージした見た目にも楽しいメニューが人気です。
中でもおすすめなのが、切り口が星型になる「オクラ」!
見た目もかわいらしく、七夕の雰囲気を盛り上げてくれます。

オクラをおいしく食べるために
~選び方と保存のポイント~
せっかくなら鮮度の良いオクラを選んで、できるだけ長く美味しく楽しみたいですよね。
ここではおいしいオクラの選び方と、鮮度を保つための保存のコツをご紹介します!
【おいしいオクラの選び方】
選ぶときは、次の3つのポイントをチェック!
1.長さが5~6㎝、小ぶりでさやの角がくっきりとしたもの
→大きすぎるものは、熟しすぎて果肉や種がかたくなり、風味が落ちてしまうことがあります。
2.ヘタやさやの周囲に黒い斑点がないもの
→黒い斑点は鮮度が落ちているサイン。見た目がきれいな緑色を選びましょう!
3.うぶ毛が柔らかく、均一に生えているもの
→切ったときの切り口がきれいで、緑色が濃いものが新鮮です!
【長持ちさせる!オクラの保存方法】
オクラは鮮度が落ちると、かたくなったり風味が損なわれてしまいます。
できるだけその日のうちに使い切るのが理想ですが、保存する場合は以下の保存方法を参考にしましょう。
▶️保存のコツ
- 乾燥を防ぐため、ポリ袋に入れて密封し、冷蔵庫の野菜室で保存
- 低温障害に注意(5℃以下はNG)
- 直射日光を避けた涼しい場所であれば、常温でも可。(※ただし真夏を除く)
→乾燥に弱いため、密封して保存するのがポイントです。
→低温に弱いため、5℃以下になると低温障害(変色や風味が落ちる)を起こすことがあります。

【オクラのおいしい食べ方】
オクラの“ねばねば”を引き出すには、ちょっとした下ごしらえが大切です。
おいしく食べるためのポイントを、3つにまとめました!
1.粘りを出すには「刻む・たたく」+「軽く加熱」
オクラの粘り成分は、細かく刻んだり叩いたりして、細胞を壊すことで引き出されます。
加熱するとさらに粘りが増しますが、茹ですぎると栄養分が失われるので、さっと火を通す程度が理想的です。
表面のうぶ毛は、塩をふって手で軽くこすり、水で洗い流すだけでOK。
ざらつきがなくなり、食感がなめらかになります。

3.苦みが気になるときは「角を削る」
オクラのさやの角張った部分には、わずかに苦みがあることも。
そのまま使うときは、包丁で角を軽く削ると食べやすくなります。
下ごしらえのひと手間で、オクラのおいしさがぐっと引き立ちます。
ぜひ、日々の料理に取り入れてみてくださいね!
オクラのここがすごい!
~オクラに含まれる栄養素~
水溶性食物繊維「ペクチン」と、たんぱく質と結びつく「ムチン」という成分です。
この2つの成分がもたらす、4つの健康効果をご紹介します!

1.血糖値の上昇をゆるやかに
→ペクチンには糖の吸収を抑える働きがあり、食後の血糖値の急上昇を防ぎます。
その結果、インスリンの分泌を抑えることができ、糖尿病の予防にもつながります。
2.腸内環境を整えて便通改善
→ペクチンは、腸内の善玉菌(ビフィズス菌・乳酸菌など)を増やす働きがあり、腸内のバランスを整えることで便秘・下痢の改善に役立ちます。
また、胃炎や胃潰瘍の予防にも効果的です。
3.疲労回復をサポート
ペクチンには、胃壁を保護してたんぱく質の吸収を助ける働きもあります。
また、オクラにはビタミンB1、B2、ビタミンC、葉酸、鉄、β-カロテンなどのビタミン類や、カルシウムなどのミネラルもバランスよく含まれており、
疲労回復やミネラル補給にも効果的です。
4.コレステロールを下げる効果
ペクチンやムチンには、胆汁酸やコレステロールの吸収を抑える働きがあるため、悪玉(LDL)コレステロールの値を下げる効果が期待できます。
そのため、動脈硬化や高血圧の予防にもつながります。
※ペクチンとムチンは水溶性のため、水に長く浸したり茹ですぎたりすると栄養素が流れ出てしまうこともあります。
調理の際は、短時間の加熱でサッと仕上げるのがおすすめです!
まとめ
【おいしいオクラの選び方】
オクラを選ぶときのポイントは、以下の3つです。
- 長さが5~6cm程度で、さやの角がくっきりしているもの
- 黒い斑点や変色がなく、きれいな緑色のもの
- うぶ毛がやわらかく、均一に生えているもの
※鮮度が落ちると果肉がかたくなり、風味が損なわれます。
できるだけその日のうちに使い切るのがおすすめです。
【オクラに含まれる栄養素】
- 水溶性食物繊維のペクチン:血糖値の急上昇を抑え、糖尿病予防に役立つ
- ペクチンとムチン:悪玉(LDL)コレステロールの吸収を抑え、動脈硬化や高血圧を予防
- ペクチン:腸内の善玉菌を増やし、便秘・下痢の改善や胃の健康をサポート
- ビタミンB1・B2、ビタミンC、葉酸、鉄、β-カロテン、カルシウム:疲労回復やミネラル補給に効果的
※ペクチン・ムチンは水溶性のため、茹で過ぎには注意。さっと加熱するのがポイントです。
参考文献
- 縁結び祈願 京都地主神社. ”七夕の歴史・由来 七夕特集”.縁結び祈願 京都地主神社.リンク(参照2025-4-28).
- わかさ生活.”わかさの秘密 オクラ”.わかさ生活.リンク(参照2025-4-28).
- わかさ生活.”わかさの秘密 ペクチン”.わかさ生活.リンク(参照2025-4-30).
- わかさ生活.”わかさの秘密 ムチン”.わかさ生活.リンク(参照2025-4-30).
- 飯田薫子,寺本あい“一生役立つ きちんとわかる栄養学“. 株式会社西東社.2019,p238