はじめに

ニラは、炒め物や春巻き、餃子などの中華料理に欠かせない食材。その独特の風味と香りが食欲をそそりますよね。
実は、ニラは健康面で非常に優れた効果を持つ野菜の一つです!今回はそんなニラの選び方や調理法、栄養素についてご紹介します。

ニラの旬について

旬は3月から4月頃ですが、近年ではハウス栽培やトンネル栽培などがあり、1年を通して店頭で見かけることが増えました。
店頭でよく目にするのは「葉ニラ」と呼ばれる品種で、肉質がやわらかく人気があります。
ニラには体をあたためる効果があり、日常的に食べることで冷え性の改善や神経痛の緩和にも役立ちます。
また、風邪をひきやすい、疲れやすい、貧血気味などの方にもおすすめの食材です。

知っておきたい!選び方と保存のポイント

ニラ

ニラを選ぶ際は、肉厚で葉の幅が広く、全体的に緑色が濃くツヤがあるものを選びましょう。
また、葉先までしっかりとピンと伸びているものが新鮮です。葉先がしおれていたり、折れていたり傷ついているものは避けるようにしましょう。
ニラは鮮度が落ちやすく、日持ちしないので、できるだけ早めに使い切るのが理想的です。
軽く湿らせた新聞紙やキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れると冷蔵庫の野菜室で数日間は保存が可能です。刻んで小分けにすると冷凍保存もできます。

保存

実践したい!調理法と活用術

ニラを加熱すると、その特有の香りが和らぐため、香りが気になる場合は軽く下茹でをしてから調理すると良いでしょう。ただし、加熱しすぎると色や風味が失われるので注意が必要です。
また、ニラに含まれるβ-カロテンは油に溶けやすい成分であるため、炒め物や揚げ物など油を使って調理することで効率よく吸収されます。
さまざまな料理にアレンジできるので、ぜひ試してみてください!
詳しいレシピはこちらから!(ニラのチヂミ)

チヂミ

ニラに含まれる成分と性質

アリシン

1.疲労回復効果
アリシンは、にんにくやねぎ、ニラなどの香りの強い野菜に含まれる成分です。
生の状態では、「アリイン」という成分が含まれており、これが分解されることによって、アリシンに変化します。
この成分は特に、にんにくに多く含まれており、にんにくが疲労回復に良い、スタミナがつくと言われる理由は、アリシンの働きによるものです。
アリシンは、体を動かすエネルギーを生み出すビタミンB1と結びつくことで、体内に長く留まり、疲労回復の効果を持続させる働きがあります。

  ※ビタミンB1・・・水溶性のビタミンB群の一種で、疲労回復を助ける欠かせない成分です。
ビタミンB1が不足すると、疲れやすくなるだけでなく、動悸や息切れといった症状が現れることもあります。
ニラにはビタミンB1も含まれていますが、これを豊富に含む食材(豚肉やレバーなど)と一緒に摂ることで、さらに効果的に疲労回復が期待できます。
また、アリシンは消化液の分泌を促進し、内臓の働きを活発にします。そのため、食欲を増進させる効果もあります。

アリシン

2.血流を改善する効果
アリシンには血液をサラサラにし、血栓ができるのを防ぐ効果があります。
さらに、血液中の「善玉コレステロール(LDLコレステロール)」を増やし、「悪玉コレステロール(HDLコレステロール)」を減らす働きもあります。
この効果に加え、ニラに含まれるクロロフィル(葉緑素)もコレステロール値を下げる働きもあるため、動脈硬化や心筋梗塞などの予防に繋がります。
他にも血流が良くなることで冷え性や肩こり、腰痛、神経痛などの症状も改善されます。

  ※クロロフィル(葉緑素)・・・植物や藻類などに含まれる緑色の天然色素です。葉緑素は人間の血液の色素であるヘモグロビンと似た構造をしており、
「緑の血液」とも呼ばれています。血中コレステロール値を下げ、血栓の予防や血圧を下げる作用があります。

3.感染症予防効果

アリシンは、強い殺菌作用を持ち、体を守る力があります。
特に、胃炎や胃潰瘍、胃ガンの原因となるピロリ菌や、風邪や気管支炎の原因になる連鎖球菌、ブドウ状球菌などのウイルスや細菌から体を守ってくれます。

また、ニラに含まれるβ-カロテンは、緑黄色野菜に多く含まれ、強い抗酸化作用があります。
体内で必要に応じてビタミンAに変換され、体内でビタミンAに変換され、のどや鼻などの粘膜を保護します。
これにより、病原体やウイルスが体内に侵入するのを防ぎ、風邪などの感染症の予防に役立ちます。
他にも視力の維持や皮膚、免疫機能を保つ効果があります。

免疫

まとめ

  • ニラは鮮度が落ちやすいので、なるべく早めに食べることをおすすめします。
  • ニラは冷蔵庫の野菜室で保存できますが、できるだけ早く使い切るのが理想的です。保存する場合は、刻んで小分けして冷凍保存しましょう。
  • ニラに含まれる栄養素で代表的なものは以下の通りです。
    • アリシン:疲労回復や免疫力向上、血流改善に役立ちます。
    • ビタミンB1: 水溶性のビタミンB群の一種で、疲労回復のビタミンとも呼ばれています。
    • β-カロテン: 強い抗酸化作用があり、体内で必要に応じてビタミンAに変換され、のどや鼻などの粘膜を保護し、風邪などの感染症の予防に役立ちます。他にも、視力の維持や皮膚、免疫機能を保つ効果があります。
    • クロロフィル(葉緑素):血中コレステロール値を下げ、血栓の予防や血圧を下げる作用があります。

ニラを上手に食事に取り入れ、健康維持や生活習慣病の予防に役立てましょう!

参考文献

  • わかさ生活.”わかさの秘密 ニラ”.わかさ生活.リンク(2025-3-13).
  • 味の素株式会社”ニラの栄養を徹底解説!冷え性や疲れやすい人におすすめの栄養素とは!?”.味の素株式会社.リンク(2025-3-17).
  • わかさ生活.”わかさの秘密 アリシン”.わかさ生活.リンク(2025-3-17).
  • わかさ生活.”わかさの秘密 葉緑素(クロロフィル)”.わかさ生活.リンク(2025-3-18).
  • わかさ生活.”わかさの秘密 β-カロテン”.わかさ生活.リンク(2025-3-18).