「なんか今日は、ちょっと本気出して料理してみっか」
そんな気分の日に、なぜか手が伸びるのが――にんにく。
―料理の風味を支え、体を整える小さな力
にんにくは、料理に深みと香りを与えてくれる食材です。
わずかな量でも存在感があり、炒め物、煮込み、ソースに加えるだけで、味わいを一段引き上げてくれます。
日々の献立に静かに寄り添う、頼もしい一片です。

おいしいにんにくの見分け方
にんにくって、どれも同じに見えるけど…実はけっこう“当たり外れ”があるんです。
せっかく料理に使うなら、香りが強くてホクホクした“うまいにんにく”を選びたいところ。
以下の見分け方を紹介します!
1.ずっしり重い → 中身がぎっしり!
軽く感じるにんにくは、中がスカスカ。
手に持って「おっ、意外と重っ」と感じたら、それは実が詰まってる証拠。
2.頭の部分がよく締まっている
頭がよく締まっているにんにくは新鮮で実がぎっしり。
ゆるいと中がスカスカかも。
3.にんにくの粒が大きくてしっかりしている
粒が大きくしっかりしているにんにくは食べ応えがあり、品質の良いことが多いです。
逆に粒が小さく柔らかいものは、鮮度や品質が劣る場合があります。
にんにくの保存方法
保存するときは、冷蔵庫より風通しの良い常温がおすすめ。
保存場所が確保できない場合は、紙袋に入れて風通しの良い涼しい場所に保管することも可能です。また、ネットに入れて日陰に吊るす方法も適しています。
にんにくは湿気や水分に弱く、傷みやすくなるため、湿度の高い場所や水がかかるような場所での保管は避けてください。
にんにくレシピはこちら!👉肉巻き豆腐にんにくソース添え
調理時の工夫
にんにくは切り方で香りの強さが変わります!
にんにくの香りは、細胞を壊すことで、アリシンという成分が関係して発生します。
- 縦切り(繊維に沿う):香りは控えめ
- 横切り(繊維を断つ):香りが強くなる
- みじん切り:さらに強い香り
- すりおろし:最も香りが強く出る
香り成分アリシンは揮発性 → 刻んだらすぐに使うのが◎
にんにくを食べてもにおわない工夫
にんにくのにおいは、アリシンが血液を通じて体内を巡ることで残ります
においを抑えるには、アリシンが体に入る前に対策するのがポイント
[有効な食品]
- 牛乳 → たんぱく質がアリシンを包み込み、においの元をシャットアウト
- 緑茶 → アリシンに働きかけて、においを和らげる作用あり

にんにくの栄養素を知ってもっとおいしく健康に
アリシン
にんにくを切ったときにツーンとくるあの”刺激的な香り”の正体、それが「アリシン」
この成分、実はめちゃくちゃ働き者で良いこと尽くし。
- 殺菌・抗菌作用(風邪の予防にも効果的)
- 血液サラサラ効果
- 疲労回復をサポート!
また、にんにくはビタミンB1の吸収を助けるため、このタッグが最強です。
ビタミンB1は、疲れを取るための大事な栄養素なんですが、単体だと体に吸収されにくい。
でもアリシンとくっつくと、吸収力アップ!
特に、「豚肉+にんにく」は理にかなったゴールデンコンビです。

ビタミンB1
スタミナを取り戻す力が高いにんにく。その理由のひとつが、ビタミンB1を多く含んでいることです。
「豚肉+にんにく」のゴールデンコンビも良いですが、にんにく単体でもアリシンとビタミンB1を含んでおり、疲れを癒やすのに最適な食材といえます。
カリウム
体の中の余分な塩分を外に出してくれる働きがあり、むくみが気になる人や高血圧が心配な人におすすめです。
たんぱく質
筋肉や肌、髪など、体をつくる材料になる栄養。にんにくは野菜の中でも、たんぱく質がちょっと多めです。
【💡ちょっとだけ注意ポイント】
にんにくは「ただの香り担当」じゃない!ちゃんと体の中でも働いてくれるスーパーフードなんです。
美味しくて健康にいいなんて、もう推すしかないですよね。
ただし刺激が強い食材でもあるため、食べすぎると胃が疲れちゃうことも。ほどほどに楽しんでくださいね!!
まとめ
にんにくは料理に深い味わいと香りをプラスするだけでなく、健康にも嬉しい栄養がたっぷり。
選ぶポイントは「重さ」「頭の締まり」「粒の大きさ」。保存は風通しの良い常温がベストです。
切り方で香りの強さが変わるので用途に合わせて調整しましょう。
アリシンやビタミンB1で疲労回復や血液サラサラ効果も期待できるから、食べすぎには注意しつつ、毎日の食事に取り入れて元気アップ!
参考文献
- 池上文雄,加藤光敏,河野博,三浦理代,山本謙治.”にんにく”.からだのための食材大全.NHK出版,2024,p114
- 中村丁次. “たんぱく質を知る“.もっとキレイに、ずーっと健康 栄養素図鑑と食べ方テク.朝日新聞出版,2022,p61
- 中村丁次. “硫化アリル”.もっとキレイに、ずーっと健康 栄養素図鑑と食べ方テク.朝日新聞出版,2022,p245
- わかさ生活.”わかさの秘密 にんにく”.わかさ生活.リンク(参照2025-6-23).