はじめに

ピーマンは、とうがらしの仲間で鮮やかな緑色とほのかな苦みが特徴の夏野菜。
シャキシャキとした食感が料理のアクセントになり、さまざまな食材ともよくなじみます。
実はこのピーマン、ビタミンCやβ-カロテン(ビタミンA)、食物繊維などを豊富に含み、紫外線や暑さで疲れた体を内側から整えてくれる「夏の健康サポーター」としても注目されています。
今回は、そんなピーマンをもっとおいしく、無駄なく楽しむための選び方・保存方法・調理のポイントをご紹介します!
ピーマンを日々の食卓に上手に取り入れて、暑い夏を元気に乗り切りましょう!

ピーマン

ピーマンをおいしく楽しむために

選び方と保存のポイント

ピーマンをよりおいしく楽しむには、まずは新鮮なものを選ぶことが大切です。
今回は、ピーマンの見分け方や、風味と食感を長持ちさせる保存の工夫をご紹介します。
ピーマンをもっと上手に取り入れて、健康的で彩り豊かな食卓づくりにお役立てください。

【おいしいピーマンの選び方】

ピーマンは、へたの部分から傷みが進みやすいため、次のポイントをチェックしましょう!

  • へたの切り口がみずみずしく、黒ずんでいないもの
  • 表面にツヤがあり、色が鮮やかで、斑点や傷のないもの

鮮度のよいピーマンは、苦みが少なく、シャキッとした食感が楽しめます。
ぜひ、選ぶときの参考にしてみてください。

【長持ちさせる!ピーマンの保存方法】

ピーマンは鮮度が落ちると、硬くなったり風味が損なわれたりしてしまいます。
できるだけ早く使い切るのが理想ですが、保存する場合は以下の方法を参考にして長持ちさせましょう。

▶️保存のコツ

  • 乾燥を防ぐため、1つずつ水をふき取ってポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存。
    →ピーマンは乾燥に弱いため、袋に入れて密封し、冷蔵庫の野菜室で保存するのがポイントです。
  • 袋の中に痛んだピーマンがあると、他のピーマンも痛みやすくなるので注意。
    →保存中に傷んだものを見つけたら、すぐに取り除きましょう。
  • 冷凍保存する場合は、へたとわたを除いて細切りにし、金属のトレイなどに広げてラップをかけて冷凍。
    →冷凍したピーマンは炒め物や煮物などに凍ったまま加えて調理できます。保存する際は、密閉袋で冷凍しておくとより長持ちします。

【ピーマンのおいしい食べ方】

ピーマンといえば、独特の苦みが特徴ですが、近年では品種改良が進み、生でも食べやすくなっています。
特に、緑のピーマンが完熟した「赤ピーマン」「黄ピーマン」は、甘みがあって苦みが少なく、より食べやすいのが魅力です。
ピーマンにはビタミンCが豊富に含まれており、葉野菜に比べて加熱による損失が少ないのが特徴です。
また、炒め物にすると脂溶性のビタミンA(β-カロテン:カロテノイドの一種、強力な抗酸化作用を持つ)の吸収率も高まり、苦みもやわらぎます。
調理の際は、繊維に沿って「縦に切る」ことがポイント。
細胞が壊れると独特の青くささが際立ってしまうため、なるべく繊維を断たないように切ることで、風味を損なわずにおいしく仕上がります。
赤ピーマンや黄ピーマンは細切りにしてスープに加えると、彩りが加わり、食卓も華やかに。
ピーマンは、炒め物、肉詰め、おひたし、サラダなど、和洋中問わず幅広い料理に使える万能野菜です。
今回は、そんなピーマンを使った手軽に作れるおすすめレシピをご紹介します!

👉『ピーマンとツナのおかか和え』レシピはこちら!

ピーマンのここがすごい!

ピーマンに含まれる栄養素

夏を代表する野菜のひとつで鮮やかな色味と独特の香りが特徴ですが、実は栄養価も非常に高い野菜です。
中でも注目すべき栄養素は、「ビタミンC」です。
大きめのピーマン1個には、なんとレモン1個分に相当するビタミンCが含まれていると言われています。
また、ピーマン特有の青くささのもとになっている香り成分「ピラジン」には、血液をサラサラにし、動脈硬化を予防する効果があるとされ、
生活習慣病予防にも期待できます。このように、ピーマンに含まれる栄養素は、私たちの健康を支えてくれるものばかりです。

①免疫力UP、疲労回復に

  • ビタミンA:皮膚や粘膜を守り、ウイルスなどへの抵抗力を高めます。
  • ビタミンC:免疫細胞の働きを助け、風邪予防や疲労回復をサポートします。

②血管の健康維持

  • ピラジン:血栓の形成を防ぎ、血液の流れをスムーズに保ちます。
  • ビタミンP:毛細血管を丈夫にし、血流改善をサポートします。
  • ビタミンA、E:抗酸化作用で血管の老化や酸化を防ぎます。
  • クロロフィル:植物や藻類に含まれる緑色の天然色素で、血中コレステロール値を下げる働きがあります。また、血栓の予防や血圧を下げる効果も期待されています。

これらの栄養素が総合的に働くことで、高血圧・動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞などの生活習慣病の予防にもつながります。

緑と赤、どちらのピーマンがおすすめ?

緑色のピーマンも栄養豊富ですが、完熟した赤ピーマンには、さらに多くのビタミンCやビタミンEが含まれています。
ただし、赤ピーマンはやや日持ちしにくいため、購入後は早めに調理していただくのがおすすめです。
vs

まとめ

【おいしいピーマンの選び方】
ピーマンを選ぶときのポイントは、以下の3つです。

  • へたの切り口がみずみずしく、黒ずみがないもの
  • 表面にツヤがあり、色が鮮やかで傷や斑点がないもの
  • 手に持ったときにしっかりとした張りがあるもの

※へたから傷みやすいため、できるだけ早めに使い切るのがおすすめです。

【ピーマンに含まれる主な栄養素と効果】

  • ビタミンC:レモン1個分に相当。免疫力アップや美肌効果、疲労回復に有効
  • ビタミンA・E:抗酸化作用で血管や肌の老化を予防
  • ピラジン:血液をサラサラにし、血栓や動脈硬化の予防に効果
  • ビタミンP:毛細血管を強くし、血流改善に貢献
  • クロロフィル:コレステロールの排出を助け、血圧や血糖の安定に役立つ

※ビタミンCは加熱しても壊れにくく、炒め物にすると脂溶性ビタミンの吸収率が向上します。

参考文献

  • わかさ生活.”わかさの秘密 ピーマン”.わかさ生活.リンク(2025-5-12).
  • わかさ生活.”わかさの秘密 カプサイシン”.わかさ生活.リンク(2025-5-13).
  • わかさ生活.”わかさの秘密 クロロフィル”.わかさ生活.リンク(2025-5-13).
  • 飯田薫子,寺本あい“一生役立つ きちんとわかる栄養学“. 株式会社西東社.2019,p234