鶏肉の部位別種類の違い

実際、鶏肉の中でどの部位が高たんぱく・低脂質なのか比較してみると、鶏ささみ肉が一番の結果に!

🔸鶏肉の部位別栄養素の比較
食品名 エネルギー たんぱく質(g) 脂質(g)
鶏むね肉(皮なし) 105 23.3 1.9
鶏ささみ肉 98 23.9 0.8
鶏手羽(皮あり) 189 17.8 14.3
鶏もも肉(皮あり) 190 16.6 14.2

鶏肉の調理方法

どの部位が何の調理法に適しているのかをまとめてみました。レシピの参考にどうぞ!

部位

🔸鶏肉の部位別特徴と調理法
部位 特徴 調理法
鶏むね肉 柔らかい・低脂肪 弱火でじっくり焼くと⭕
鶏ささみ肉 最も柔らかい サラダ・和え物に⭕
鶏手羽 ゼラチン・脂肪多い 揚げ物、煮物⭕
もも肉 弾力あり・味にコクがある スープ、からあげ、煮物に⭕
ゼラチン・脂肪が豊富 炒め油にしても美味しい

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鶏肉の安全性と衛生面

生食は危険!

鶏肉にはカンピロバクター菌などの食中毒菌が潜んでいることがあります。
生や十分に加熱されていない鶏肉(レア・たたき・鶏刺しなど)を食べるのは非常に危険です。必ずしっかり火を通しましょう。

カンピロバクターの特徴

  • ヒトや動物の腸管内で増殖
  • 通常の加熱調理で死滅する
  • 乾燥に弱い
  • 数百個程度と少ない菌量で感染する
菌

加熱の目安

  • 中心温度75℃で1分以上加熱が安全の目安。肉の赤みが完全になくなるまで加熱すること。
  • 電子レンジ調理の場合は、加熱ムラが出やすいので、途中で上下を返すなど工夫を。

調理時の注意点

鶏肉の取り扱いで最も注意したいのが交差汚染です。
生肉を触った手や調理器具を介して、他の食材に菌が移ることがあります。

🔻予防のポイント

  • 生肉を扱う際は専用のまな板、包丁を使う
  • 生肉を触った手はすぐに石けんで洗う
  • 生肉用のトングや箸と、盛り付け用の箸は分ける
  • 冷蔵庫内では下段に保管し、他の食品への汁漏れを防ぐ
  • 鶏肉自体を洗わない

ドリップ(冷凍で食品内にできた氷の結晶が解凍時に水分として食品外部にでたもの)が気になる際は、キッチンペーパーなどでふき取るようにしましょう。

清潔

鶏肉の栄養素と健康効果

イミダゾールジペプチド

イミダゾールジペプチドは、2つのアミノ酸がくっついた成分のうち、「イミダゾール」という部分を持つもののことです。
代表的なもので カルノシン、アンセリン、バレニン というものがあります。
体の中では主に カルノシン があり、特に 瞬発力を出す速い筋肉や脳に多く含まれています。
この成分は、運動を続けやすくするサポートをしてくれます。
また、年を重ねると筋肉のカルノシンは減っていきますが、食品から摂ることで、老化のサポートにもつながります。
焼き鳥の串2本分に相当する50gの鶏むね肉を1日でとればイミダゾールジペプチドの必要な量を取ることができます。

【効果】

  • 持久力がアップ
  • 筋肉痛が軽くなる
  • 筋力維持
  • 疲れにくくなる

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は、体の中でたんぱく質とくっついている成分の一つです。
皮ふや目、関節などの細胞と細胞のあいだに多くあります。
水といっしょになるとゼリーのような状態になり、肌のうるおいややわらかさを保つ働きをします。
そのため、化粧品の保湿成分としてもよく使われています。

【効果】

  • 水分をたっぷり抱えて肌や関節を守る

メチオニン

食べ物からとらなければいけない必須アミノ酸の一つ。
硫黄を含んでおり、メチオニンの物質自体独特なニオイがします。

【効果】

  • 血中コレステロールを下げる
  • 肝機能の改善
  • 老化予防
  • 免疫力を上げる

まとめ

鶏肉は特にささみやむね肉を中心に高たんぱく・低脂質の食材です。
疲労回復を助けるイミダゾールジペプチドや、美肌に役立つヒアルロン酸、肝機能をサポートするメチオニンなどの成分も含まれています。
一方で、生の鶏肉にはカンピロバクター菌が存在することがあり、中心温度75℃で1分以上の加熱が安全の目安です。
また、生肉に触れた手や調理器具からの交差汚染にも注意し、清潔な調理を心がけましょう。

参考文献

  • 厚生労働省.“鶏肉は十分に加熱して提供しましょう”.厚生労働省.リンク(2025-11-12).
  • 池上文雄,加藤光敏,河野博,三浦理代,山本謙治.”鶏肉”.からだのための食材大全.NHK出版,2024,p210-211
  • 農林水産省 消費・安全局食品安全政策課 情報発信企画・評価班.“鶏料理を楽しむために~カンピロバクターによる食中毒にご注意を!!~”.農林水産省.リンク(2025-9-23).
  • 上西一弘,藤井義晴,吉田宗弘.”メチオニン”.健やかな毎日のための栄養大全.NHK出版,2022,p27
  • 日本ハム株式会社 中央研究所.” イミダゾールジペプチドのすごい効果とは。中高年の疲れにも抜群の効き目”. 日本ハム株式会社.リンク(2025-9-23).