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小中学校の給食で必ず出てくる牛乳。カルシウムが多く含まれており骨を強くするイメージが強いです。
カルシウム以外にも他の栄養素が優れていることはご存知ですか。
今回は牛乳を飲む必要性や、カルシウム以外にどんな栄養素が優れているか紹介します!

どうして給食で牛乳がでるの?

学校給食で牛乳が提供される理由は、1965年に制定された「学校給食法」という法律で決まっているからです。
牛乳が成長期の子どもに欠かせない栄養素をバランスよく含んでおり、 成長過程にあるお子様が効率よく栄養を摂取できるからと言われています。

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画像引用:骨検“骨密度を上げる!年代別でできる骨粗鬆症予防”旭化成ファーマ(2025-9-10)

給食の牛乳だけで補える?1日の牛乳摂取量の目安

食事がしっかりと摂れており、なおかつ肥満の兆候がないなら、小学生の1日あたりの牛乳摂取量は コップ1.5杯分(300ml)程度が目安とされています。
給食の牛乳は200ml程度なので、家庭では1日100ml(コップ半分程度)を追加する計算となりますが、
普段の活動量や食事全体のバランスも考慮し、場合に応じて調整しましょう。
牛乳を飲むことで食事量が減る場合は、食後に飲むようにしたり、1度に飲む量を減らして回数を増やしたりなど方法を工夫しましょう。

※児童又は生徒1人1回当たりの学校給食摂取基準(抜粋)
年齢 たんぱく質 カルシウム
6~7歳 16.0g 290mg
8~9歳 20.0g 350mg
10~11歳 25.0g 360mg
12~14歳 28.0g 450mg
一般的な牛乳200mlに含まれる栄養価 6.8g 227mg

牛乳や乳製品が苦手な時は、何からカルシウムをとればいいの?

牛乳や乳製品にはカルシウムが多く含まれていますが、
あまり好まない・お腹がゆるくなる・アレルギーがあり食べることができない方いらっしゃいませんか。
カルシウムが不足してしまうと骨がもろく、骨折しやすくなるなど、不安になりますよね。

実はカルシウムを多く含む食品は他にもあります。
野菜では小松菜やチンゲン菜、水菜、切り干し大根、海藻(わかめ、ひじき)が多く含まれています。
中でも豆製品は比較的カルシウムが多く含まれており、
木綿豆腐半丁(150g)で180mgと牛乳のコップ1杯分、生揚げ1枚(120g)で約1.5杯分に匹敵するくらいカルシウムが豊富です。
また魚類では骨ごと食べられる小魚(しらす干しや乾燥いわし)、さばやいわしなど骨ごと食べられる水煮缶詰や干しエビにも多く含まれています。

カルシウムが多く入った食品を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

アレルギーではないけど、牛乳を飲むとお腹が痛くなる。どうすればいいの?

牛乳飲むとお腹がゴロゴロする、下痢をするなどの不快症状が現れることを、「乳糖不耐」といいます。
昔から知られてきた症状ですが、病気というわけではありません。
乳糖(乳に含まれる糖のこと)は小腸で消化されず、大腸へ行きます。
大腸に存在する乳酸菌やビフィズス菌などの腸内細菌の善玉菌が優位であれば、乳糖が良く分解されるといわれています。
ただし腸内細菌のバランスが悪かったり、腸内細菌の異常発酵が起こると、お腹がはってしまったりや下痢をしてしまいます。

解決策としては、、、

  • 数回にわけて飲む
  • 温めて、ゆっくり飲む
  • 料理にプラスして、加熱して食べる

数回にわけることで乳糖が分解しやすくなります。また温めると腸への刺激が弱まります。
ホットミルクだけでなく、コーヒーや紅茶、ココアに混ぜるのもおすすめです。料理に混ぜると、コクやほんのりとした甘みが加わります。

今回は冷たい牛乳でお腹が痛くなってしまう方でも食べやすく加熱したレシピを紹介します!👉洋風ミルクうどん🍜

ここがすごい!牛乳の栄養

①カルシウムが豊富!

骨や歯の形成に必要なミネラルで体内のカルシウムのうち、99%は骨や歯に存在します。残りの1%は血液や筋肉、神経などに存在します。
骨は約3ヶ月サイクルで骨形成(骨へのカルシウムの沈着)と骨吸収(骨からのカルシウムの溶出)を繰り返します。
積極的に摂取していきたいミネラルの一つです。
一緒にカルシウムの吸収を高めるビタミンD(きのこ類)や、骨を強くするビタミンK(納豆やほうれん草、わかめなど)と摂取することで、
より骨が丈夫になります!

【カルシウムの効能】

  • 骨や歯の構成成分
  • 血液凝固促進
  • 神経の興奮を抑える(精神の安定を保つ)

②ビタミンB2が豊富

別名「リボフラビン」と呼ばれています。牛乳コップ1杯につき、1日に必要な分の25%を摂取することができます。
成長期のお子様に特に必要であり、「発育ビタミン」とも呼ばれています。

【ビタミンB2の効能】

  • 皮膚や髪の健康維持(皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生)
  • 様々な生活習慣予防の効果(酸化された脂質の除去)
  • 脂質の代謝を助ける
B2

③ビタミンB12が豊富!

別名「赤いビタミン」「末梢神経のビタミン」とも呼ばれています。牛乳コップ1杯につき、1日に必要な分の25%を摂取することができます。

【ビタミンB12の効能】

  • 神経を守り、正常な働きを維持する (脳神経や血液細胞など)、眼精疲労や肩こり、神経痛の改善
  • 赤血球の色素成分であるヘモグロビン、赤血球の合成、血を作る(造血作用)、貧血予防

④パントテン酸が豊富!

あまり聞きなれない栄養素かと思いますが、ギリシャ語で「あらゆる場所に存在する」という意味で、牛乳以外にも様々な食品に含まれています。
ビタミンの一種で「ビタミンB5」とも呼ばれています。
不足しにくい栄養素ですが、副腎皮質ホルモンの合成に関与していて、ストレスへの抵抗力をつけるともいわれています。

【パントテン酸の効能】

  • ストレスを和らげる(副甲状腺ホルモンの合成に関与)
  • 皮膚や髪の健康を保つ(ビタミンCの働きを助ける)
  • 動脈硬化予防(血中の善玉(HDL)コレステロールの合成を促進し、HDLコレステロールを増やす)
パントテン酸

まとめ

カルシウムを摂取するには20歳くらいまでは積極的に摂取し骨形成をしましょう。
お腹が痛くなったり下痢しやすいときは、少量ずつにしたりあたためて飲んだり、料理にプラスして加熱しましょう。
牛乳が苦手な場合は海藻類や豆製品、骨ごと食べられる魚などを摂取しましょう。

【含まれる栄養素】

  • 骨や歯を形成するカルシウム
  • 発育に必要なビタミンB2
  • 血を作るビタミンB12
  • ストレスを和らげるパントテン酸

参考文献

  • よつ葉乳業オンラインショップ“学校の給食で牛乳が出されるのはなぜ?給食用牛乳の歴史や栄養について解説!”よつ葉乳業.リンク(2025-9-16).
  • 乳の知識“ウワサ16 日本人のほとんどが牛乳を飲むとおなかをこわす”一般社団法人Jミルク(2019-5-31).リンク(2025-9-16).
  • わかさの秘密“パントテン酸”わかさ生活(2020-12-20).リンク(2025-9-16).
  • 骨粗鬆症財団出版物・資料“カルシウムを多く含む食品”公益財団法人骨粗鬆症財団.リンク(2025-9-16).
  • 明治の食育“知ってミルク 第1回牛乳・乳製品の栄養って、すごい!”株式会社明治.リンク(2025-9-16).
  • 文部科学省“学校給食法 4条”文部科学省(2021-2-12).リンク(2025-9-16).