日本の食卓に欠かせない魚のひとつ「鮭」。古くから保存食として利用され、今では朝食の焼き魚やお弁当、さらには洋風料理や鍋料理など、幅広いメニューで活躍しています。
「サーモン」と「鮭」は何が違うの?
諸説ありますが、
「サケ」と「サーモン」は、学術的にきっちり線引きされているわけではなく、日本での呼び方や食べ方の違いから生まれた区別です。

鮭(しゃけ):昔から日本人の食卓で親しまれてきた名前。主に天然のものを指し、塩鮭や焼き鮭といった加熱調理向きに扱われることが多い。
サーモン:海外から入ってきた輸入品や、人の手で育てられた養殖魚を指すことが多く、生食や洋風料理に使われるイメージが強い。
ただし「国産サーモン(例:信州サーモン、富士の介)」のように、日本独自のブランド養殖魚も登場していて、単純に「国産=鮭、海外=サーモン」とは言えません。
鮭は赤身魚?白身魚?
サケはその身が赤く見えるため、赤身魚と誤解されることが多いですが、実際には白身魚に分類されます。
赤く見えるのは、食べ物として摂取するエビやカニに含まれるアスタキサンチンという色素が、サケの体内に蓄積されるためです。
魚の赤身・白身の区別は、見た目の色ではなく、筋肉中に含まれる「ミオグロビン」という色素タンパク質の量によって決まります。
一般的に、ミオグロビンが100g中に10mg以上含まれていれば赤身魚、それ以下であれば白身魚とされます。
この基準に従うと、サケのミオグロビン含有量は少ないため、白身魚に分類されるのです。

鮭の種類(加工・味付けによる違い)
鮭は種類そのものの違いだけでなく、塩の加減や加工方法によっても味わいや食べ方が変わります。スーパーでよく見かける「甘口鮭」や「新巻鮭」もその一例です。
甘口鮭
塩分を控えめにした鮭。塩分量は3%以下です。
辛口鮭
塩をしっかり効かせた鮭。塩分量は6%くらいです。
新巻鮭(あらまきざけ)
秋にとれた鮭を丸ごと一本、エラと内臓を取って塩漬けにしたもの。
味の選び方のポイント💡
子ども・塩分を少し控えたい人→ 甘口鮭
昔ながらのご飯のお供が好きな人 → 辛口鮭・新巻鮭
今回のレシピは塩分少なめ、お子様でも食べていただけるように、甘口鮭で👉「鮭の南蛮」を作りました!
鮭に含まれている栄養素
アスタキサンチン
カロテノイドという色素成分の一つです。
鮭の赤い色のもととなっており、鮭の他にはエビやタイの赤色に含まれています。
主に、鮭のエサに含まれる植物性プランクトンの赤い色素によるものです。
タンパク質と結合しているため、加熱でたんぱく質が変性すると赤い色が濃く出ることもあります。
【効果】
強力な抗酸化作用があります。
にんじんなどに含まれていて抗酸化作用があるβ-カロテンという栄養素はこのコラムで何度か紹介していますが、アスタキサンチンはβ-カロテンの20倍の抗酸化作用があります。
シミやしわの発生を防ぐため、老化予防にぴったりです。

DHA・EPA
魚油に多く含まれます
【効果】
- 血液をサラサラにする
- 脳の働きや生活習慣病予防に役立つ
ビタミンD
【効果】
- カルシウムの吸収を助ける
- 骨粗しょう症予防
まとめ
鮭は「鮭」と「サーモン」という呼び方の違いこそあれ、日本人の食卓に欠かせない存在です。
赤身に見えて実は白身魚であり、加工方法や塩加減でも味わいが大きく変わります。
さらにアスタキサンチンやDHA・EPA、ビタミンDといった健康や美容に役立つ栄養素も豊富。
昔ながらの焼き魚から洋風料理まで幅広く楽しめる鮭を、毎日の食事に上手に取り入れてみましょう。