♦はじめに
じゃがいもは、世界中で広く食べられている身近な野菜の一つです。
煮物や揚げ物、スープなど、どんな料理にもなじむ万能野菜です。
一見、炭水化物が多いイメージがありますが、実はそれだけではありません。
私たちの健康をサポートしてくれる栄養素がたっぷり含まれているんです!
今回はそんなじゃがいもの魅力や、おいしく食べるための調理方法をご紹介します。

じゃがいもをおいしく食べるために
~選び方と保存のポイント~
毎日の料理に大活躍のじゃがいも。せっかくなら、よりおいしく、ムダなく使いたいですよね。
じゃがいもを選ぶコツと、鮮度を保つための正しい保存方法をご紹介します!
【おいしいじゃがいもの選び方】
じゃがいもを選ぶときのポイントは、以下の3つです。
- ふっくらとして重量感のあるもの
- 皮がなめらかで傷がないもの
- 表面にしわが寄っていない、芽が出ていないもの

また、緑色に変色しているものは避けましょう。
※じゃがいもの芽や皮が緑色に変色した部分には、「ソラニン」という毒素が含まれています。
これらを摂取するとめまいや吐き気、下痢などの食中毒症状を引き起こす可能性があります。(まれではありますが注意が必要です)
ソラニンは加熱しても完全には分解されないため、芽や緑色に変色した部分を見つけた場合は、包丁で厚めに取り除くようにしましょう。
【長持ちさせる保存方法】
じゃがいもは低温に弱く、冷蔵庫に入れると傷みやすくなります。
そこで、以下のような保存方法がおすすめです。
- 冷蔵庫には入れず、直射日光を避けて風通しの良い場所に保存。
- 新聞紙で包んだり、紙袋に入れて保存すると乾燥や光を防げます。
- 夏場など気温が高い時期は、冷暗所での保存が◎
じゃがいもの種類と調理方法
【じゃがいもの種類】
近年では、さまざまな品種のじゃがいもが店頭に並び、料理に合わせた選び方が楽しめるようになりました。
特によく使われている定番の品種を中心に、それぞれの特徴とおすすめの調理法をご紹介します。

ほくほくとした粉質が特徴で、じゃがいもの代表格です。素朴で優しい味わいが魅力的です。
長時間煮ると崩れやすいため、粉ふきいも、コロッケ、ポテトサラダなどにぴったり。
🥔メークイン
細長い卵形で、粘りのあるねっとりした食感が特徴です。表面のくぼみが少なく、皮がむきやすいのもポイント。
煮崩れしにくいため、肉じゃがやカレーなどの煮込み料理に向いています。
しっとりとした口当たりで、素材のうまみをしっかり楽しめます。


🥔インカのめざめ
北海道が主な産地で、寒暖差のある気候が甘みを引き出すのに適しているといわれています。
切り口は黄色く、栗のような濃厚な甘みが魅力の品種です。ホクホク感としっとりなめらかな食感を併せ持ち、
蒸し料理やロースト、グリルにすると甘みがよりいっそう引き立ちます。
🥔レッドアンデス
北海道を中心に栽培されている品種で、皮は赤く、切り口は黄色。ねっとりとした食感と濃厚な甘みが特徴です。
煮くずれしやすいため、ポテトサラダやマッシュポテト、ポタージュなどの料理におすすめです。


北海道を中心に栽培されている品種で、卵型の形と切り口が薄い黄色をしているのが特徴です。
粘質タイプならではのなめらかな食感が魅力。煮崩れしにくいため、煮物やスープ、シチューなどにぴったり。
【おすすめの食べ方】
じゃがいもの皮の近くには、「クロロゲン酸」という抗酸化作用のある成分が含まれています。そのため、皮ごと調理するのがおすすめ。
皮ごと茹でることで、ビタミンCやカリウムの流出を防ぐことができます。
また、じゃがいもに豊富に含まれるビタミンCには、鉄分の吸収を助ける働きがあるので、
鉄分を多く含む「ひじき」や「ほうれん草」などと一緒に食べると、効率よく摂取できます◎
じゃがいもは、さまざまな料理にアレンジできるので、ぜひ試してみてください!
▶️今回のレシピはじゃがいものガレットです!
じゃがいものここがすごい!
じゃがいもに含まれる栄養素
主にでんぷん質(炭水化物)を多く含む野菜ですが、それだけではありません。
ビタミンB1、ビタミンC、カリウム、食物繊維など、様々な栄養素がバランスよく含まれています。
中でも注目したいのが「ビタミンC」です。ビタミンCは、水に溶けやすく熱に弱いため、通常の調理で失われやすい栄養素です。
しかし、じゃがいもに含まれるビタミンCは、でんぷんに包まれているため、加熱しても壊れにくく、効率よく摂取できるのが特徴です。
●ビタミンB1
水溶性のビタミン一種で、「疲労回復のビタミン」とも呼ばれています。
炭水化物(糖質)の代謝を助け、エネルギーをつくる働きがあり、白米を主食にする日本人にとって特に大切な栄養素です。
また、エネルギー代謝を通じて、神経や筋肉の正常な機能を保つ役割もあります。
●ビタミンC
皮膚や粘膜の健康維持をサポートする栄養素です。
水溶性で摂りすぎによる過剰症の心配もないため、毎日の食事に積極的に取り入れたいものです。
さらに抗酸化作用があるため、体内の老化を防ぎ、以下のような健康や美容に幅広く効果が期待できます。
- 肌にハリを与える
- シミやそばかすの予防
- 免疫力アップで風邪予防
- ストレスへの抵抗力を高める
●カリウム
体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する働きを持つ、重要なミネラルのひとつです。
高血圧の予防や、むくみの改善にも効果が期待できます。
さまざまな食品に含まれており、通常の食事からでも摂取は難しくありませんが、
食生活の変化や塩分の多い食事が増えている現代では、知らず知らずのうちに不足しがちともいわれているため、
日々の食事でしっかり意識して摂りたい栄養素です。
●食物繊維
野菜・果物・海藻・きのこ類などに多く含まれる栄養素で、「第6の栄養素」とも呼ばれています。
体内の不要な物質を体外へ排出する働きがあり、さまざまな健康効果があります。
この働きにより以下のような効果が期待でき、生活習慣病の予防にも役立つといわれています。
- 便秘の予防、改善
- 腸内環境を整える
- コレステロール値の低下
- 糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を抑える
まとめ
★おいしいじゃがいもの選び方
- ふっくらとして重量感のあるもの
- 皮がなめらかで傷がないもの
- 表面にしわが寄っていない、芽が出ていないもの、緑色に変色していないもの
★じゃがいもに含まれる栄養素
- 疲労回復のビタミンと呼ばれるビタミンB1
- 体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する働きを持つカリウム
- 皮膚や粘膜の健康維持をサポートするビタミンC
- 不要な老廃物を体外へ排出する食物繊維